ブランド名でも商品名でもないけど有名なフレーズの商標登録について

投稿日:2018年10月9日 更新日:

商標登録は企業のブランド名であるとか、売れ筋商品の名称を登録の対象に選ぶのが一般的ですが、「ブランド名でも商品名でもないけど会社独自のシステムとして有名なフレーズ」を商標登録することが時々あります。

スクウェア・エニックスの「アクティブタイムバトル」

ゲーム好きであれば「アクティブタイムバトル」という単語はご存知だと思いますが、かつてスクウェア・エニックス(旧スクウェア)が特許権を所有していた(2011年7月16日をもって存続期間満了により消滅)、ロールプレイングゲームのシステムの一種です。コンピューターゲームのシステムには独自のシステムを示すものとしてネーミングをすることがしばしば行われますが、「アクティブタイムバトル」は「ファイナルファンタジーシリーズ」「クロノ・トリガー」などのヒット作に採用された、最も有名なシステムの一つでしょう。

説明は上記リンクに掲載されていますので割愛しますが、このアクティブタイムバトル、実は商標登録もされています(登録第4284948号)。アクティブタイムバトルの特許は既に切れていますので、ゲーム内のシステムとしてアクティブタイムバトルと同様のシステムを導入することは特許的には問題なく利用可能ということになりますが、商標としてはどうでしょうか?

商標としてでなければ使用可能

当然ながら「アクティブタイムバトル」という名称のゲームを販売することは商標権侵害となるおそれがあります。が、ゲームのタイトルとは別に、ゲームの内容を説明する文言として「アクティブタイムバトル採用」などの記載をパッケージに設けることは、商標として使用していることにはならないため、商標権の侵害には当たらないと考えられます。

商標法第二十六条 商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。

(略)

六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標

とはいえ、「アクティブタイムバトル」が商品の名称として使用されることはおそらくないと考えられますので、商標権を行使する機会は実質的に無いといえます。ですが現実にスクウェア・エニックスは商標登録をしており、その意図は一体どこにあるのでしょう?

他社による商標登録の阻止

これが一番の理由でしょう。仮に他社に商標登録されてしまうと、法的には実害はなくとも一般ユーザーからしてみれば「スクエニのブランド管理はどうなっているんだ」といった具体に会社のイメージに悪影響を与えることはありえます。

商標登録は高くても十数万円あればできます。スクウェア・エニックスという会社が持つブランド価値を考えればごくごく僅かなコストといえるでしょう。

「触らぬ神に祟りなし」効果を期待している?

弁理士・弁護士(知財分野に強い弁護士)といった専門家や、企業の知財部であれば自信を持って問題ないと言えるでしょうが、それ以外の人がそこまで高度な判断ができるとは考えにくく、「アクティブタイムバトル」という言葉を使うこと自体がNGであると理解している可能性は高いです。

そもそも同じ商標を使用しなければ問題にはならないのですから「触らぬ神に祟りなし」と言わんばかりに競合他社が使用を回避することを期待しているのかもしれません。

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